◆ ビジネスリソース
金融円滑化法終了後の話J(北近畿経済新聞コラム『ビジネス羅針盤』2014年1月11日掲載)
内部環境の分析とは6
あけましておめでとうございます。経営支援&事業再生コンサルタントの井上英哲です。本年もどうぞよろしくお願い致します。
今回も前回に引き続き客観的に内部環境要因を分析する場合のポイントについてご説明します。
前回は生産性の分析についてでしたが、今回は安全性の分析についてご説明します。
○安全性の分析
企業活動における安全性とは、簡単にいうと「財務は健全か、倒産する危険性はないか」ということです。
この分析は、企業を分析する上で欠かすことのできない分析で、金融機関も必ずチェックしている項目です。
例えば、来月1,000万円の支払いがある場合に、手持ち現金と入金予定を足して1,000万円以上の残高が確保できているか、また支払い後の余力はどれぐらいあるのか、といった分析です。
流動比率(%) = 流動資産÷流動負債×100
安全性の分析の代表的なものが上の流動比率です。
これは、買掛金や向こう1年以内に支払いをしなければならない負債に対して、手持ちの現預金と短期間で現金化可能な資産でどれだけカバーされているかをパーセントで表したものです。
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(北近畿経済新聞・平成26年1月11日掲載)
金融円滑化法終了後の話I(北近畿経済新聞コラム『ビジネス羅針盤』2013年12月11日掲載)
内部環境の分析とは5
皆さんこんにちは、経営支援&事業再生コンサルタントの井上英哲です。
今回も前回に引き続き客観的に内部環境要因を分析する場合のポイントについてご説明します。
前回は財務面の収益性の分析についてでしたが、今回は生産性の分析についてご説明します。
○生産性の分析
企業活動における生産性とは、簡単にいうと「その会社がどれだけ効率よく付加価値を生み出したか」ということです。
例えば、100万円で仕入れた原材料を加工して200万円で販売した場合、会社としては「加工」という事業活動を通して100万円の付加価値を生み出したことになります。
これを社長と作業員3人(合計4人)の会社が実施した場合には1人あたりの創出した付加価値額は25万円となります。
しかし、10人の会社で実施した場合には1人あたりの付加価値額は10万円となってしまいます。
したがってこの2社を比較した場合、4人の会社の方が会社の規模は小さいのですが、生産性は高いということになります。
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(北近畿経済新聞・平成25年12月11日掲載)
金融円滑化法終了後の話H(北近畿経済新聞コラム『ビジネス羅針盤』2013年11月11日掲載)
内部環境の分析とは4
皆さんこんにちは、経営支援&事業再生コンサルタントの井上英哲です。
今回も前回に引き続き客観的に内部環境要因を分析する場合のポイントについてご説明します。
前回は戦略面についてでしたが、今回は財務面についてご説明します。
●財務面の分析とは
内部環境の分析における財務面の分析というのは、自社の特徴を明確にすることが目的です。
具体的には決算書などの財務諸表を基に数値面から分析をするのですが、過去の結果についてあれこれ細かく精査する必要はありません。あくまでも、自社のビジネスの「強み・弱み」や同業他社に対する「優・劣」などを客観的に把握することに重点を置いて下さい。
これまでの分析では見えなかった部分が浮かび上がってくるはずです。
○収益性の分析
企業活動における収益性とは、ズバリ「投じたお金がどれだけ増えたのか」です。
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(北近畿経済新聞・平成25年11月11日掲載)
金融円滑化法終了後の話G(北近畿経済新聞コラム『ビジネス羅針盤』2013年10月11日掲載)
内部環境の分析とは3
皆さんこんにちは、経営支援&事業再生コンサルタントの井上英哲です。
今回も前回に引き続き客観的に内部環境の要因を分析する場合のポイントについてご説明します。
前回はマネジメント面についてでしたが、今回は戦略面についてご説明します。
●存在意義・経営理念
まず、企業が存続するためには「存在意義」が不可欠です。
つまり、社会が必要としている財やサービスを供給する役割を担っていて、これからも社会にとって欠かせない存在である必要があるのです。
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(北近畿経済新聞・平成25年10月11日掲載)
金融円滑化法終了後の話F(北近畿経済新聞コラム『ビジネス羅針盤』・2013年9月11日掲載)
内部環境の分析とは2
皆さんこんにちは、経営支援&事業再生コンサルタントの井上英哲です。
前回、内部環境の分析には2通りの方法があり、自社を客観的に分析することは難しいので、ビジネスモデルの分析の時に立てた「こうした方が、経営効率が上がって利益が増えるのでは」という仮説の検証を目的として、関係する内部環境要因を「見える化」し分析する方法をご説明しました。
今回は、これまでの分析を基にした将来ビジョンの検討方法についてご説明する予定でしたが、読者の方々から個々の内部環境要因について客観的に分析する方法についても教えて欲しいとの声が寄せられましたので、予定を変更し、客観的に要因分析をする場合のポイントについてご説明したいと思います。
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(北近畿経済新聞・平成25年9月11日掲載)
金融円滑化法終了後の話E(北近畿経済新聞コラム『ビジネス羅針盤』・2013年8月11日掲載)
内部環境の分析とは
皆さんこんにちは、事業再生&マネジメント・コンサルタントの井上英哲です。
前回のコラムでは、ビジネスモデルの分析で立てた様々な仮説について、業界や地域、取引先など、自社を取り巻く外部環境の動向を分析することにより検証する方法についてご説明しました。
今回は、自社内部の環境(実力)を分析することにより仮説を検証する方法についてご説明したいと思います。
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(北近畿経済新聞・平成25年8月11日掲載)
金融円滑化法終了後の話D(北近畿経済新聞コラム『ビジネス羅針盤』・2013年7月11日掲載)
外部環境の分析とは
皆さんこんにちは、事業再生支援コンサルタントの井上英哲です。
前回のコラムでは、ビジネスモデル・マップを作成し儲ける仕組みの再構築について様々な視点から仮説を立てることをご説明しました。今回からは、それらの仮説を検証する方法についてご説明したいと思います。
仮説を検証するためには、まず対象事業について外部環境と内部環境の2つの視点に分解し、仮説の実現性について分析をおこないます。
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(北近畿経済新聞・平成25年7月11日掲載)
金融円滑化法終了後の話C(北近畿経済新聞コラム『ビジネス羅針盤』・2013年6月11日掲載)
ビジネスモデルの分析とは
皆さんこんにちは、事業再生支援コンサルタントの井上英哲です。
前回のコラムでは、経営改善計画書を作成する際に重要なのはシナリオであることをご説明し、作業の流れについて書きました。今回からは、各作業工程について、より詳しくご説明していきたいと思います。
1.ビジネスモデルの分析
ビジネスモデルとは「儲ける仕組み」のことを言うのですが、金融円滑化法により金融支援を受けている企業の場合、既に「儲け」が出なくなっているか、大きく減少してしまっている場合が多く、ビジネスモデルそのものに何らかの不具合を抱えていることが推察されます。
したがって、抜本的な収益改善を目的とした経営改善計画を策定するためには、現在のビジネスモデルについてあらためて客観的に調査・分析し、「ビジネスモデルそのものを見直す」ことが、重要なポイントとなります。
具体的な分析方法は以下の通りです。
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(北近畿経済新聞・平成25年6月11日掲載)
金融円滑化法終了後の話B(北近畿経済新聞コラム『ビジネス羅針盤』・2013年5月11日掲載)
経営改善計画書の作成手順
皆さんこんにちは、事業再生支援コンサルタントの井上英哲です。
前回のコラムでは、経営者は金融支援を受けている間に事業収益性回復への道筋をつけなければならないこと、そして、それら経営改善に向けた努力をまとめたものが「経営改善計画書」であることを書きました。今回からは、計画書の具体的な作成方法について書いていきたいと思います。
一般的に経営計画書や事業計画書というと、3年〜5年の数値計画を思い浮かべがちですが、そこにとらわれてはいけません。数値計画というのは、あくまでも経営改善に向けた努力によって得られるであろう「結果」を数字にしたものに過ぎません。重要なのは、今後どの方向に向かって行くのか、そのためにどのような努力をしていくのか、という「シナリオ」です。
このシナリオさえきちんと作成することができれば、ほぼ経営改善計画書が出来たも同然です。あとはこのシナリオに時間軸を入れて数値化すれば数値計画も整い、シナリオという根拠性を持った骨太の経営改善計画書が完成します。
シナリオを作成するための具体的な作業の流れは以下の通りです。
(この続きをお知りになりたい方は、ぜひ弊社までご連絡下さい!)
(北近畿経済新聞・平成25年5月11日掲載)
金融円滑化法終了後の話A(北近畿経済新聞コラム『ビジネス羅針盤』・2013年4月11日掲載)
経営改善に向けた努力とは
皆さんこんにちは、事業再生支援コンサルタントの井上英哲です。
前回のコラムでは、中小企業の経営再建を支援する金融庁の方針が、金融円滑化法終了後も変らないことについて書きましたが、円滑化法終了後の倒産増加を防止する取組みはそれだけではありません。
内閣府・金融庁・中小企業庁によって策定された「中小企業金融円滑化法の最終延長を踏まえた中小企業の経営支援のための政策パッケージ」により、地域金融機関、政府系金融機関、中小企業再生支援協議会、企業再生支援機構、法務・会計・税務等の専門家、経営支援機関、地方公共団体、財務局、経済産業局等の連携による、「中小企業支援ネットワーク」が各都道府県に構築され、中小企業の経営改善や事業再生支援に向けた環境整備が行われています。
例えば、中小企業再生支援協議会では、経営者が経営改善に専念できる時間を確保した上で抜本的な経営再建を促す「3年程度の暫定リスケ」という支援スキームを新たに設け、従来の枠組みでは対応が難しかった事案に対しても支援を拡大しています。
これらの支援策は、円滑化対応を受けている中小企業の大半が、1年や2年では事業収益性の回復が難しい事を考慮しての取組みであり、当たり前の事ですが、単なる延命支援や先送り支援ではありません。
すなわち、経営者は支援を受けている間に経営改善に向けた最大限の努力を行い、事業収益性回復への道筋をつけなければならないという事です。それが実現できなければ、事業の持続可能性が見込まれない先として、支援の対象から外れてしまい、事業存続に対する支援を得られなくなってしまうのです。
では、経営者は具体的に何をしなければならないのでしょうか。
それは、収益性を改善する為の抜本的な戦略をまとめた「経営改善計画書」を作成し、進捗状況について定期的に金融機関等に報告していくこと以外にありません。
「そんなことなら知っているよ。」「もう既に作ってあるよ。」と言われる方もいらっしゃるかもしれませんが、本当にその計画で大丈夫でしょうか?もう少し掘り下げて再検討する余地はありませんか?
例えば、わが国では少子高齢化が急激に進行しており、生産年齢人口も総人口も減少に転じています。そんな社会環境の中で、本当にその商品やサービスで収益性の改善が図れますか? 新たな商品やサービスで未開拓な市場や潜在的なニーズを開拓するなど、ビジネスモデル自体を再考する必要はありませんか?
また、二次破綻する企業に最も多い計画策定方法ですが、必要返済額から逆算して売上や原価、経費などの数値計画を作成し、本来熟考しなければならない事業の方向性やビジョン・戦略について軽視した計画書になってしまっていませんか?
そこで、次回からは、事業や業界を取り巻く環境の分析や、自社の強み・弱みの分析など、経営改善計画書を作成する具体的な方法について書いていきたいと思います。
(北近畿経済新聞・平成25年4月11日掲載)
金融円滑化法終了後の話@(北近畿経済新聞コラム『ビジネス羅針盤』・2013年3月11日掲載)
金融庁が示した今後の指針
皆さん初めまして。
この度このコラム執筆メンバーに新しく加わりました、事業再生支援コンサルタントの井上英哲です。
私は証券会社を脱サラ後、露天の弁当売りから商売を始め、飲食店経営、日欧間貿易、在欧セールスプロモーション、ドイツ現地法人設立、ドイツでのSushi-Bar経営、欧州進出コンサルなどを実践し、成果と共に数々の失敗と挫折を経験してきました。
現在ではその経験を活かし、ビジネスモデルや経営戦略の見直しによる「収益力のアップ」に基柱を置いた、ハンズオン(現場実践指導型)による、事業の再生支援をおこなっています。
そこで、私の方からは、現在多くの企業経営者の方々から質問が寄せられている金融円滑化法終了後について、金融機関の対応はどう変わるのか、そしてそれを受けて中小企業経営者は何をすべきなのかなどについて書いていきたいと思っています。
金融円滑化法は、中小企業や住宅ローンを抱える個人の資金繰り支援策として平成21年12月に施行されましたが、2度の期限延長の末、いよいよこの3月末日に最終期限を迎えようとしています。
金融庁の発表(平成24年11月30日金融庁発表速報値)では、平成24年9月末時点における中小企業向けの実行件数は、農協・漁協を除く全国654の金融機関で343万件を突破しており、全国的にも関心が高まっています。
これを受けて金融庁では昨年11月に、円滑化法終了後の検査・監督について、次の内容の方針が示されています。
@金融機関の役割については何ら変わることなく、引き続き貸付条件の変更等や円滑な資金供給に努めるべきである。
A金融検査・監督のスタンスについても何ら変わることはなく、貸付条件の変更等を行った場合でも不良債権とならない要件については恒久の措置であり、コンサル機能をどれだけ発揮しているかに着目する。
B借主側が抱える経営課題の解決には相応の時間が必要であり、3月末までに最終的な解決を求めることはせず、十分な時間をかけて実行支援するように促す。
C金融機関に対して、円滑化法終了後も顧客への対応方針が変わらないことを説明するように促す。
以上の内容だけを見た場合、これまでと何ら変わらないように思われるかもしれませんが、これは、あくまでも円滑化法の基本的な考えに沿って適用され、きちんと経営改善にむけた経営努力がなされている事が前提となっています。
しかしながら、私がこれまで再生支援を通して見てきた各金融機関の対応は様々で、経営改善に対する支援や指導にかなりの幅があります。裏を返すと借主側にとっては、これまでとほとんど変わらぬままに金融支援を受けてしまっている場合があるという事です。この場合に悲劇が訪れます。
これは当たり前の事ですが、「売上が減り→利益が減り→赤字になり→債務超過に陥り→資金繰りに窮する」という流れは放置していても改善しません。
では、経営者はいったい何をしなければならないのか、経営改善に向けた努力とはどういう事なのか、具体的にしなければならない作業は何なのか、などについて次回以降で書いていきたいと思います。
(北近畿経済新聞・平成25年3月11日掲載)